2-2.サンゴ育成のための設備
リフジウム
リフジウムとはアクアリウム業界の造語です。refuge(避難する)とaquarium(水槽)を組み合わた言葉が「リフジウム」の由来となります。
主に状態を崩した生体の隔離水槽としても使用されています。
水槽で生体を飼育することによりサンゴ・魚にとって有害な硝酸塩・リン酸・窒素などの物質が水槽内に蓄積されていきます。海藻にはこれらの有害な物質を吸収する効果があり、水槽内で海藻を育てることで水槽の水換え頻度を少なくすることが可能です。これにより、水槽内に有害な物質が溜まりにくく、コケの抑制にもなり、サンゴにとってより理想的な環境に近づける事ができます。現在、当館ではイチイヅタを育成し、有害な物質を吸収させサンゴの育成に役立てています。
バックヤードのリフジウム
プロテインスキマー
プロテインスキマーとは、プロテイン(タンパク質)をスキム(掬い取る)してくれる機械のことを指します。
魚はもちろん、サンゴも生きているため、餌を食べ排泄を行います。餌の食べ残しや糞が水槽内に蓄積されることで段々と水は汚れていき、最終的には生物にとって有毒な物質(アンモニア・亜硝酸など)が発生し、最悪の場合、魚やサンゴは死んでしまいます。その有毒な物質が発生する前に食べ残しや糞(いわゆるタンパク質の状態)を繊細な泡を発生させて取り除いてくれるのが「プロテインスキマー」となり、当館ではリフジウムの働きと組み合わせて使用ことにより換水頻度を減らしています。