2-1.当館のサンゴ育成
当館のサンゴについて
DMMかりゆし水族館では沖縄に生息する種を中心にサンゴを展示しています。
天候や光量が日々変化する自然の海とは違い、環境変化がほぼ一定な水槽内でサンゴを飼育していくことは容易ではありませんが、より自然環境に近い水槽を作りサンゴの長期飼育を行っています。
実際の自然環境を目指した飼育
海では天候や他生物の働きなどによりサンゴを取り巻く状況は常に変わり、サンゴもそれに影響されることで生態系を保ちます。
しかし、水槽による飼育では人の手を加えないことには状況は一定で、何もしなければサンゴが住む環境は悪化していきます。
水槽内ではコケが発生した場合、基本的に人間が掃除をしないとずっと生え続けたままになります。しかし、海ではその苔を食べる生物(魚や貝)がいるため、海が苔まみれになることはありません。当館のサンゴ水槽では、沖縄の海の生態系を水槽で可能な限り再現し、自然の生態系に近い環境での飼育を目指し活動しています。
当館のサンゴ飼育
当館の自然の生態系を再現したサンゴ飼育は主に以下のような流れになります。
- 水槽に苔が生える。(海の岩に苔が発生)
- 苔を食べる生物を入れる。(ギンタカハマ、ヤエヤマギンポなど)
- 苔を食べきると生物を取り出す。
実際の自然環境下でも、野生生物の餌となるものがなくなると、その生物は餌を求めて移動します。
当館が行っている飼育は「生物の移動」によって自然の生態系に可能な限り近づけることであり、生物同士の働きによって自然を再現することで、サンゴにとってより生息しやすい環境を作ることを目的としています。