1-4.沖縄近海のサンゴとその現状
沖縄の美しいサンゴ
世界的にサンゴは、熱帯~亜熱帯海域に多く分布し約800種以上が存在しています。
特にインドネシアやフィリピン周辺では様々な種のサンゴが確認されており、その数はおよそ450種以上になります。
日本には約400種のサンゴが生息しています。特に沖縄県近海には色鮮やかで美しいサンゴが生息し、世界的に見ても数多くの種が生息しています。
その数は日本に広がる造礁サンゴの約80%に上ります。
沖縄に多くのサンゴが存在する主な理由としては
- 海水温が生息に適した約25~28℃前後であること
- 年間を通して温かい気温や光合成に必要な日光が安定していること
などが要因となります。
また、そのサンゴの周辺ではカラフルで多種多様な熱帯魚が生活しており、サンゴ礁に生息する生き物はおおよそ9万種にも上ると言われています。そのため、サンゴは見た目の美しさだけではなく、海の中の生態系を支える重要な存在となっていると同時に、サンゴ礁周辺は人間にとっても貴重な漁場となります。「沖縄県=綺麗な海」というイメージがもたれるように、サンゴやそれら周辺の生き物を観察できるダイビングも沖縄県の観光資源となっています。
サンゴ減少の原因
海の中の生態系や人間の暮らしを支える沖縄県のサンゴも、近年その数を減らしていることが大きな問題となっています。
主な要因としては
- 生活排水を直接河川や海に流すことによるサンゴが棲む海の水質汚染
- 土地開発による土砂の流入
- 人間の活動や地球温暖化による水温上昇
- サンゴを食す天敵のオニヒトデの大量発生
などが挙げられます。
これらの要因により沖縄県近海のサンゴは年々数を大きく減らしており、その影響はサンゴ礁周辺に生息する生物たちにとっては割けることが出来ない大きな問題になっているとともに、日頃からサンゴ礁の恩恵を受けている我々人間にも大きな影響を及ぼし始めています。
サンゴ減少がもたらす問題
サンゴは綺麗なだけではなく、海に多くの恩恵を与えています。
海にサンゴが存在することによって、
- サンゴに棲む褐虫藻が光合成を行うことで、大気中の二酸化炭素を吸収する
- 褐虫藻の光合成によって生み出されたエネルギーの一部を微生物に供給する
- サンゴが魚などの生き物の棲みかとなる
- 海を浄化する働きや天然の防波堤の働きとしての役割もある
など、メリットが数多くあります。
しかしサンゴが減少してしまうと、これらの働きが失われてしまい数多くの生態系が影響を受け、最終的には大規模な絶滅にも繋がります。
また、二酸化炭素濃度のコントロールも行っているため、海の生き物だけではなく地球そのものにも温暖化の進行など大きな影響を及ぼす可能性があります。
サンゴが果たしている役割の一例
- 二酸化炭素を吸収
褐虫藻が光合成を行うことで、大気中の二酸化炭素を吸収
- エネルギーを微生物に供給
褐虫藻の光合成によって生み出されたエネルギーの一部を外部放出して微生物に供給
- 生き物の棲みか
サンゴ礁に生息する生き物はおよそ9万種。小型魚類を天敵から身を守る
- 天然の防波堤
台風の時など、高波の力を弱める
サンゴを守るための取り組み
減っていくサンゴも人間の手によって、少しずつ数を取り戻すための活動が行われ始めており、サンゴが生息できる環境を取り戻すために様々な環境保全活動が実施され、土砂流出の減少・海洋開発の方法を見直している事業や団体も多く存在しています。
DMMかりゆし水族館では、サンゴを展示・飼育すると共にサンゴの苗を作り、その増えた苗を養殖・移植する活動を行っています。
その活動は「サンゴラボツアー」というイベントでサンゴの特徴・増え方や、現在置かれている危機的状況などを学んで頂き、実際にお客様にもサンゴの苗を作っていただく体験を行っています。直接養殖・移植の活動に参加して頂き、海の豊かさ、海洋生物の多様性をより深く知って頂くことで、お客様と我々で共に美しい海とサンゴ礁を未来に引き継いでいくことを目的としています。
弊社が取り組んでいる「サンゴラボ」プロジェクトは多くの企業様にもご協賛いただき、弊社が設立後から継続して活動を行っています。今後もサンゴの養殖・移植に関する専門的な技術等について助言をいただきながら、沖縄県を起点とした海洋の保全活動に対し、より積極的に取り組んでいきます。
[イベント] サンゴラボツアー
サンゴの魅力や海の現状を知り「海洋環境保護」について理解を深めるイベントです。講習やサンゴの苗作りを通して、海をキレイに保ちたいという気持ちやサンゴを大切に思う気持ちを育みます。お客様にもサンゴの苗作りの体験もしていただけます。
サンゴラボツアー
SDGsへの取り組み
当館はサンゴの養殖・移植活動を通じ、沖縄県を起点とした海洋の保全活動に取り組んでいます。このプロジェクトは多くの企業にも協賛を頂き、共に活動している。活動趣旨に共感し、ご協賛いただけるパートナー様を募集しています。
SDGsへの取り組み